| EXCELで新・計数管理(52) |
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「EXCELでMTS(マハラノビス・タグチ・システム)」 |
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丸山昭男 |
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| 「本物の理解の効用(ベテランの思考過程にMTSの援用」のテーマで |
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| 中部支部報第11号:平成11年1月('99/1)に掲載し、中部支部50周年 |
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| 記念誌(H14/4)に再掲した。計算はソフトで行ったが、偶のことなので |
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| 多少時間を掛けても良いのならEXCELのシートで実施できるので今回取り |
| 上げた。項目の選択はシート上では限界があることは後述する。 |
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| そもそもの動機は、大先生はひと目で良し悪しを判断されると言う。そのノウハウを探求しようとすることから起こった。 |
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| 以前にベテランの思考過程への接近法としてチェック項目のマトリッ |
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| クスを作り、その中に違和感を感じた所をチェックして解析する方法を |
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| 提案して全国研究会で発表した(月刊経営士(S57/5),記念誌にも再掲)。 |
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| KJ法は親近感を基準にして進めるが、その逆で違和感(差)の大きさ |
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| を基準にする進め方であり、数量化W類の双対性に当たる。 |
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| 今回は「距離」の概念を基準にしたMTS法をベテランの思考過程に援用し |
| た。(MTS:マハラノビス・タグチ・システム、品質工学の新しいテーマ) |
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| 距離の概念についてはマハラノビス氏がデータを基準化して求めるこ |
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| とを提案し実施されており、MTSはSheet1に記した手順で進められる。 |
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| 即ち@正常な場合のデータでDB(データベース:データの相関行列の |
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| 逆行列)を作る。AそのDBを使って距離を測定し診断を行う。B直交表 |
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| を使って要因の効果をSN比で判断する。という方法が開発されている。 |
| 基準グループと要因の決定が専門家の分野であるとされている。 |
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| 芸術家でも職人でも初心の頃は"本物"に慣れるのがベテランへの道で |
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| あるとされている。 |
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| 修業とは優れた物のDBを頭脳に、体に、叩き込む時期でもあるらしい。 |
| 最近は此を忘れて、言葉や文書のマニュアルやバーチャルな映像を第一義にしようとしているから"匠の腕"も"目利きの目"も育ち難いと感じている。格好付け、言葉遊びやコミュニケ至上の輩の発想で育つのか?。 |
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| 永年店舗販売の診断も実施してきた。完全な記録を残してはいないが |
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| ある程度の時間をかけた案件は整理することが出来た。 |
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| 観点(項目)を19に絞り5段階で評価した。事業の総合評価も5段階 |
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| に分けた。何とか101件のデータが得られた。 |
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| 金繰りに行き詰まっておればアウト、資金潤沢なら優良企業。と帳簿で決めることも出来ようが、企業診断は金の結果の話だけではないし、金の流れの実態は現実には掴み得ないのはご承知の通り。 |
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| 1番上位の段階(評点5:Q5)のグループを正常(本物)としてDBを作成し、 |
| 各事業所の距離と各グループの平均を求めた。次に1番及び2番(Q5,Q4)の |
| グループを基準としてDBを作成し、各事業の距離と各グループの平 |
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| 均を求めた。正常または基準となるグループの距離の平均は1である。 |
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| (評価の概略の程度はSheet3の右に記した) |
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| 「Sheet3」はDataと基準としたデータの相関行列) |
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| 「Sheet4」にはQ5グループを基準とした場合の、基準化データ、相関 |
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| 行列、DB(逆行列)、距離の計算結果及び距離のヒストグラムを示した。 |
| 距離の計算はSheet1に示した手順で行っている。本来はMMULTで行う。 |
| 基準化データの下に相関行列、逆行列を求め、その下でMMULT演算、その結果と基準化データでSUMPRODUCT演算を行い,左列に書き、基準化データの左列に1/kして距離を求めている(kは項目数)。 |
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| ヒストグラムの横軸のスケールを見られたい。結構判別力はある(SH4)。 |
| 「Sheet5」はQ5,Q4グループを基準にした試算である。 |
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| 両者を較べてその差を見られたい。"朱に交われば赤くなる"かどうか、 |
| 程度のやや悪いデータが正常のグループに交わると判別力が弱くなる。 |
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| 診断の立場で言えばグループを判別する値がキチンと決まることが望 |
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| まれる。 |
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| 製品検査、火災報知のようなシステムの診断、病気の診断などの場合 |
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| には綺麗に決まった例が参考図書や学会発表では述べられている。 |
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| 本例の場合には傾向はよいが、判別点については今一つであった。 |
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| 項目の数、項目毎の評価の定義と正確性、経過時期から見てもその |
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| 定義が一定であった自信もない(だから省略)。さらに業種別の特性への |
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| 配慮などに問題があることも確かである。 そもそも本例のような場合 |
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| に適用可能であるのかが問題であるのかも知れないが、良い物(本物)に |
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| 慣れるのが"目利き”への道であり、それはDB化するであるというベテラ |
| ンの先生の頭の中の具体的な整理方法として解明されたと思われる。 |
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| 「Sheet3」のDataの次に予1〜予9の値がある。その後得られた(診断)Dataである。これらについて、以前に求めたDBで距離を求めると「Sheet4」の該当する場所に示すようになる。この距離から予xが属するグループを想定する。これが"診断・予測"である。 この例の場合は、危険な2グループの判別は出来るが「全5グループ」への当て嵌めは良いとは言えない。更に、距離の少ないものを基準ないしは単位空間に加えてDBを再構築すべきであるとは思っている。 |
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| こうしてみれば、本シリーズで何度か言及してきたが、定性的な質問 |
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| やチェック項目の検証にこの方法が有効であることも分かる。尤も、単相 |
| 関やその組合せだけで進める向きも多く、それが思いこみ、昔のケース |
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| の類推よりは評価されるらしいが、検証の必要性に就いてまでは言及され |
| ないのはどうかと思う。 |
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| 名医と言われる方々も問診、聴診、触診から始めている。我々の世界の大先生も同じであった。と言って先人の真似をした皆が名医・大先生に成れているわけではない。希な事らしい。後の仕方が大事だと言うことだ。今の医者は聴診、触診も碌にしないようだ。最近数カ所の医院に掛かったから確かである。医者も経営コンサルタントも、ディスプレイは見るらしいが生身の体や実態を碌に見ずに、検査結果やチェック表を見て一般論で片付ける傾向があるようで、自らのDB構築に検討の余地があるのではなかろうか。 |
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| なお、より多い実施数のある工業関係の診断の場合には、整理が不十 |
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| 分の上、変に(偏にと反省している)自信がありデータを省略したりして |
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| 形が整っていない。そもそも、業種ごとの特性の影響が大きいから、 |
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| 更に幾つかの分類を行う必要があると考えている。そのために分類ごと |
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| の正常(本物)のものでのDBを作成できるほどの案件数がないのが残念な |
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| がら実情である。件数が少なくてもDB構築は可能にはなったが。(TS,T) |
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| 「Sheet6」は項目の評価である。Sheet4,5の例を同時に示す。 |
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| 各項目(要因)を直交表の列に割り付けて、第1水準に当たる時は採用す |
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| る。本シートではソフトで実施した結果を示す。実行例は次の例で。 |
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| ソフトの初版ではSNを求めるために"距離^2"の値を^2をしていたが,再版ではSheet1に記したようになっていた。第1水準と第2水準の差を求めるだけのことであるから、たいして違いはないと言うことらしい。 |
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| 項目(要因)の効果は図の右下がりの値の大きさ(SN比の水準平均の差) |
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| で分かる。二件を同じシートに示したがそれほど違いはない。 |
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| 「Sheet3]の相関行列の右端欄の総合評価と項目の相関係数の大きさとはやや合ってはいるが、必ずしも完全な一致ではない。単相関係数だけで物を言う点にも頷けはするがそれだけではない。 |
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| 見る目の確かさを何となく"持つ"のが従来のアプローチであるとすれ |
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| ば、不確かさ、危うさは避けられず、技量というより信用問題に関わる |
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| ことになるのではなかろうか,件数(経験)も然ることながら、これからは |
| 計数的処理で確かめるのもプロの道であると言うことになる。 |
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| 「Sheet7」以降はは日経産業紙(010214)に掲載されたブランド調査データの一部を使用してMTS法の計算例として示した。 |
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| 項目が7件以内であるからL8を使用して,項目の検討例を示すのに都合がよいので例として選んだ。 前の例はL32が必要でシートでは手間が掛かり過ぎると言う事情がある。 |
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| 調査の内容を云々するわけではないから企業名は省略したし内容にも触れない。 |
| 7項目(SH7の右に意味は略述)について点数が付されている。但し、本例の計算例としては法律性の評価点数は殆ど同じなので省略した。4グループに分けた。 |
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| 「Sheet7」はデータである。クラスター分析を行っている。基準空間は34件とした。 |
| 「Sheet8」が基準化データ、データベース、距離演算、距離のヒストグラムである。 |
| 「Sheet9」は6項目(1項除く)のSN比の分散分析と水準平均値のグラフである。 |
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| 直交表の計算シートについては何れ別項で纏めて示す積もりである。 |
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| 「Sheet10」がL8表による第2番目の実験である。 |
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| L8表はSheet9に示している。No1の実験はすべてが第1水準であるから、Sheet7と同じである。Sheet7の距離からSN比を求めている。 No2の実験は第1水準が1,2,3列にある。1,2,3に割り付けた”主動性””安定性””市場性”の基準化データで相関行列の逆行列を作り,距離演算を行い、SNを求める。 |
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| もし、No4の実験であれば,第1水準は第1,6,7列であるから,1,6,7列に割り付けた要因が採用されるが、第7列は何も割り付けてないから,第1,6列のデータが採用され、この場合は2列で前と同じ演算を行う。 |
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| L8表の第3〜第8までの実験Sheetは省略した。 |
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| これらの例のように、評価項目と総合成績(グループ)の関連を検討することから、 |
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| 方向を探ることができる様子が分かる。項目定義等の詳細化・深化だけではないらし |
| い。検証もせずに流儀にこだわり、それが陳腐化するまで気づかなかった例は多い |
| ようだ。 |
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注:EXCELはMS-EXCELの略称で、MS-EXCELはMicrosot
Corporationの登録商標 |
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